T-EYES
見る事と観る事~竹山貴のアート履歴
- きっかけと原点
プロフィールのページにも書いてある通り、僕が今の仕事を始めた原点は1997年の当時の伊勢丹美術館で行われていたユトリロ展を観た事である。
そして、この展覧会に飾られていた1点の絵に涙した事がきっかけである。
その絵のタイトルはモンマルトルのコルトー街 1905年 8号の絵である。
この当時僕はアートには多少興味があった程度で仕事の向学と日本人が好きな作家だから観て来いと言われた先輩の一言だった。
まさか自分がたった一点の絵を観て涙を流すなんてことは毛頭思わなかった。だが、その絵を観て僕は10秒で泣いていた。
とにかく、絵に自分のままで良いのだ、清らかな人間に成れと言われている気がした。何か心が洗われて行く様だった。自分が真剣に何がしたくて何を目指すのか、考えて鬱いでいた時期でもあったので。
人間が感動したりするには理由なんていらないと思った。生きる勇気とか動機付けを僕はその絵から頂いた気がする。
この経験は自分にとってとてもこの仕事をする上でかけがいのない経験だった。
その感動が無ければ間違いなく自分のこれからの生きてゆく道を僕はアートに決めていないと思う。
アートの世界は良いか悪いかだけの単純な世界であるがゆえに奥も深い。
僕が今でも週二回の画廊周りで数えきれぬ程の作品を見続けているのは自分の新たな感動を捜しているのかも知れない。
